スケートボードはどこでどのように作られたのか?どのようなスタイルがあり、どのような流れで現在のスケートボードがあるのか?など記していきます。
従来のスケートボードは木の板に鉄の車輪がついているもので、グリップもなければトラック自体固定されているだけで、傾斜角も付けられないような状態でした。実はそこからさかのぼる事100年程度前にアメリカでは4輪のローラースケートが開発され人気を呼びました。その流れでスケートボードが開発された、という見解が有力なようです。
実際1950年代にローラーダービー社という会社から『ローラーサーフィン』と呼ばれるローラースケートを木製の板に付けた商品が発売されます。
その後試行錯誤の元、丁度今の台車のようなイメージで車輪が多少可動するようなタイプになったり、鉄製の車輪がラバー製や粘土製になったりと徐々に進化していくことになります。
カリフォルニアのサーファーの間でも波のない日にスケートボードを乗ったり、街中の『足』としてよく利用されだしたのはこの頃からだったと言われます。
またカリフォルニアでは60年代に入り、スケートボード競技なる大会も開催され始めたそうです。但し競技の内容は、アイススケートのフィギュアのようにクルクルと回転したり、 板の上で逆立ちしてみたり、と曲芸みたいな乗り方が主流となってまして、それら技術を競う競技として開催されたようで、今日のようなスタイルとはかけ離れた状況にはありました。
1970年代に入ってくると、技術革新によって色々とパーツに変化が出てきます。1つの大きな変化はウレタン製のウィールが開発されたことです。これによりグリップ力が生まれたスケートボードはより一層サーファーの間で人気が出てきます。またベアリングにもシールド・ベアリングが開発され、よりウィールが回るようになりました。
これによりスラロームやダウンヒル競技も行われるようになり、スケートボードは一気に世界でブームとなります。
そしてその頃にカリフォルニアはベニスビーチで結成されたのが、『Z Boys』になります。ベニスビーチにあったゼファー・サーフショップに集まった少年達がメンバーです。
ジェイ・アダムスを筆頭にトニー・アルバなどから結成されたZ Boysによって、サーフィンのスタイルでコンクリートを滑るというスタイルが確立されていきます。水を抜いたボウル状のプールでスケートボードをしたり、フリースタイルの競技でも、サーフィンスタイルのカービングなどを取り入れ一世風靡していく事になります。
これがいわゆる一つの『オールドスクール』と今日呼ばれているスタイルとされ、今日の『サーフスケート』と呼ばれるサーフィンのスタイルでスケートボードに乗るという一つの流れになっているとされています。
トニー・ホークやロドニーミューレンそしてクリスチャン・ホソイらによって確立された新しいムーブメントは『トリック』と呼ばれる、様々な技(オーリーやフリップなど)を多彩に出したり、街中の公共施設などを利用してトリックを混ぜながらスケートボードをするという、『ストリート・スタイル』が始まります。
特に音楽と融合したスタイルは若者たちを虜にし、『スケーター』という一つのファッションスタイルとしても確立していきます。
この頃よりスケートボード用のシューズやファッションブランドなども大きく認知されだしていきます。
この頃に入ると完全にストリート・スタイルが確立されます。日本でもスケーターファッションが流行を呼び始めます。
より一層トリックが複雑化され、そして複合的なトリックも生まれていき、色々なトリックの名前なども出てきます。
世界的なサーフィン・ブームが到来します。その流れによって、元々あったオールドスクール系のスケートボードが見直されるようになってきます。
日本ではサーファーの間でカリフォルニアで開発されたCarver(カーバー)と呼ばれるスケートボードが大人気を生みます。前側のトラックが振り子状に可動し、容易に加速する事ができる且つ、深いカービングを描く事ができる新しいタイプのスケートボードトラックが誕生します。
この頃より『サーフスケート』と呼ばれるスタイルが出てきます。更にはZ-boyzを題材とした映画も世界各地で公開され、スケートボード・カルチャーがより世界の人々に浸透していきました。
ファッション性がとても高く、日本でも街中でも足代わりとしてペニースケートボードを乗る若者を良く見かけます。街中を気持ちよくクルーズしながらスケートボードを滑るというイメージで、『クルーザー』『クルージング』というキーワードを良く見かけるようになります。
これによってカービング重視のトラックやスラロームトラック、更にはオールドスクール系の短いデッキが人気を呼ぶようになってきている一方で、ストリート系も相変わらず人気を呼んでおり、これからのスケートボードはより複合的に発展していくように思われます。
またそのような中で新しいムーブメントも生まれてくる…はず?